【質問内容】
アゾセミド30mg服用中の方に退院時処方でトラセミド錠4mgが追加になりました。
処方意図で考えられることがあれば教えていただけないでしょうか。
ループ利尿薬2種の併用は見慣れないため疑義照会しましたが併用の指示でした。
【回答内容】
アゾセミド(ダイアート)とトラセミド(ルプラック)との併用については、同じループ利尿薬同士のため、一般的ではない。
ただし、浮腫を有する循環器疾患患者に対してとアゾセミドを併用した文献報告[1]があり、またフロセミドとトラセミドを併用するとした文献[2]もある。
その上で、薬剤の特性基づき併用の是非を検討する。
トラセミドはループ利尿剤ではあるが抗アルドステロン作用を併せ持った薬剤である[3]。
そのため、アゾセミド30mg単剤では心負荷の軽減や浮腫の軽減が十分でないものの、血中カリウム濃度が低下傾向であり、アゾセミドの増量を避けるためトラセミドを追加した可能性が考えられる。
トラセミド単体だけで治療を行うには、一から投与量を検討する必要もあるため、既存のアゾセミドにトラセミドを追加した可能性も考えうる。
[1] 廣正 修一:診療と新薬 49(4):433-41,2012
[2] 原田和昌. 利尿薬を再考する
──高齢者心不全におけるトラセミド(ルプラックⓇ)の意義──. 診療と新薬・51(11):1035-1047,2014
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