【質問内容】
味覚障害を起こす薬剤は多くあるが、内服薬の中で具体的にはどんなものが考えられるか?
【回答内容】
薬剤が亜鉛とキレート結合し、尿中への亜鉛排泄を促進することにより亜鉛欠乏が起こる。
チオール基(-SH)、カルボキシル基(-COOH)、アミノ基(-NH2)を有し、5員環、6員環キレートを作る化学構造を有する薬剤は注意を要する。(ACE阻害薬に多く存在する)
また代表的な分類には降圧薬、消化性潰瘍治療薬、抗うつ薬、抗菌薬、解熱・鎮痛剤、糖尿病薬、抗がん薬などが挙げられる。
添付文書上0.1%以上の頻度があるものとして以下のようなものがある。(抗がん剤、抗ウイルス剤、抗リウマチ剤は割愛)
成分名
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発生頻度
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機序・その他
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アジスロマイシン
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0.4%
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記載なし
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アセタゾラミド
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0.91%
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口腔内乾燥、唾液分泌の低下による影響[1]
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アゼラスチン
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0.36%
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薬剤自身の味である苦味のため[2]
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アトモキセチン
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1.0%
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記載なし
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アナフラニール
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5%以上
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機序は不明[3]
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アプレピタント
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1.26%
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記載なし
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アミオダロン
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0.96%
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記載なし
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アリピプラゾール
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0.2%
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記載なし
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イミプラミン
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0.15%
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※抗コリン作用及び原疾患の影響の可能性
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エスゾピクロン
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21%
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エトレチナート
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0.43%
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記載なし
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エプレレノン
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0.5%未満
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※高K血症の前駆症状にも味覚異常あり。
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エンパグリフロジン
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0.11%
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記載なし
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カルバマゼピン
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0.12%
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※頻度は口内苦味の数値。詳細記載なし
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シロスタゾール
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0.12%
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シロドシン
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0.23%
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セビメリン
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0.13%
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※原疾患の口腔乾燥の影響?
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セラトロダスト
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0.1~5%
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記載なし
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セレギリン
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0.13%
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記載なし
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セレコキシブ
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0.2%
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記載なし
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ゾピクロン
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4.18%
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成分が唾液中に分泌されるため[4]
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テルビナフィン
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0.13%
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デュロキセチン
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0.91%
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※原疾患の影響もあり。
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デラマニド
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0.5%
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記載なし
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トリミプラミン
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0.1~5%
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※原疾患の影響もあり。
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トルテロジン
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0.11%
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抗コリン作用による唾液分泌低下の影響
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トルバプタン
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1.0%
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記載なし
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ナルメフェン
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2.1%
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記載なし
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バレニクリン
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4.5%
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記載なし
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フィダキソマイシン
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0.45%
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記載なし
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フェソテロジン
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0.7%
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抗コリン作用
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フレカイニド
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0.13%
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記載なし
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ペルゴリド
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0.63%
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記載なし
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マプロチリン
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0.1~5%未満
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記載なし
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ミゾリビン
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0.11%
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記載なし
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ミルナシプラン
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0.13%
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※原疾患の影響の可能性
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メトロニダゾール
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0.6%
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記載なし
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リネゾリド
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1.01%
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記載なし
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レボドパ
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0.3%
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Zn キレート,唾液分泌低下
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ロベンザリット二ナトリウム
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0.12%
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記載なし
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【キーワード】
味覚障害
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