【質問内容】
認知症にてアリセプトを服用している患者さんからの相談。
今年、免許更新とのことだが、免許の更新はできるのか?
なお、年齢は今年で88歳とのこと。
【回答内容】
結論から申し上げると、認知症と診断された時点で免許の更新はできません[1]。
もし仮に、免許の有効期間内に特定の違反などを起こした場合、臨時適性検査を受けることとなり、検査結果次第では医師の診断書を提出する必要が生じます。医師の診断書を提出した後に、手続きを踏んで免許取り消しまたは停止となります[2]。
また、更新日まで無事故無違反で過ごせたとしても、75歳以上の高齢者ドライバーの場合、高齢者講習の前に、先述と同様の認知機能検査を受ける必要がありますので、恐らくこの検査にて診断書提出命令が出されるものと考えられます。
アリセプトの適応は認知症以外ありませんので、アリセプトを投与されている時点で、すでに当該患者さんには認知症の診断が出ていることとなります。
ちなみに免許証を自主返納した場合、運転経歴証明書が発行され、これは運転免許証と同様に身分証明書として使用可能なほか、公共交通機関やタクシー等の使用に際し割引などが受けられます。これに対し、取り消し処分となった場合、運転経歴証明書は発行されません[3]。
すなわち、認知症によって取り消し処分となってしまう前に、返納したほうが身分証明書として使えるものも取得できるぶんメリットは大きいと考えられます。
[1]道路交通法.90条1の2
[2]警察庁.”認知機能検査について” http://www.npa.go.jp/policies/application/license_renewal/ninchi.html,参照日2018/01/22
[3]日本老年精神医学会. 認知症高齢者の自動車運転に関する専門医のためのQ&A集.
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