2018年1月31日

インドメタシン外用剤の授乳婦への使用可否

【質問内容】
本日ケアマネの方から授乳中にインドメタシン軟膏を使っても良いか相談がありました。
咄嗟にその場で調べたところインドメタシンはあまり良くないという記述が複数ヒットしたので販売はしませんでした。
インドメタシン外用剤の授乳中の使用の可否や乳汁中への移行のデータなどご教授頂ければ幸いです。
またOTCでお勧めできるものがあれば教えて頂けると大変助かります。
ちなみに腱鞘炎で手首から肘にかけて使いたいとのことでした。

【回答内容】
まず、塗布後の血中濃度から検討します。
インドメタシン軟膏(ゲル 1%10g(インドメタシンとして
100mg)を背部皮膚(約 900cm2)に 8 時間塗布し、血漿中濃度を測定した。各例とも塗布後 6時間で最高血漿中濃度(17.121.7ng/mL)に達したのち徐々に減少する傾向を示す。[1]

この数値と内服させた場合の血中濃度を比較します。

インドメタシンカプセルを単回服用させた場合の最高血中濃度はおよそ1000ng/Lとされ[2]、乳汁中へ移行することが知られています。

乳汁中に移行するとされていますが、国立療育センター作製の資料にてインドメタシンは授乳中でも安心して使用できると思われる薬のリストにも掲載されております[3]

以上のことから内服に比べ、乳汁中に移行したとしても血中濃度も低くなる(1/50程度)こと等を踏まえて授乳婦へのインドメタシン外用剤の使用は問題ないと考えられます。

さて、その上でインドメタシン外用剤のOTCですが、種々の剤型があります。

バップ剤、テープ剤、ローション剤、スプレー剤、クリーム剤とあります。
使用感については温感タイプやメンソール配合の冷感タイプ等もありますので、使用感に応じての使い分けでいいでしょう。

患部が手首から肘といった腕まくりなどによって貼付剤の剥がれやすい場所でも有りますので、クリーム剤やローション剤、スプレー剤が使いやすいかと存じます。




[1]イドメシンコーワゲルインタビューフォーム.Ⅶ薬物動態に関する項目,p.1516
[2]インテバンSPカプセルインタビューフォーム.Ⅶ薬物動態に関する項目,p9~10
[3]国立成育医療研究センター.安心に使用できると思われる薬, https://www.ncchd.go.jp/kusuri/news_med/druglist.html,参照2018/01/18


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