2018年2月14日

小児へのカタプレス投与の処方意図

【質問内容】
本日、患者様(8歳 男児)にカタプレス錠が新規で処方されました。

定期ではセレネース細粒、アキネトン細粒をそれぞれ分2で服用されています。
今回のケースは恐らく、セレネースの副作用のコントロールが不十分なので追加で処方したと考えました。
私の知識には全くない使用方法だった為、果たしてその処方解析で問題ないのか教えて頂けないでしょうか。

【回答内容】
セレネースの小児への投与からADHDなどの発達障害の患者様と推測します。

患者様の保護者の方がおっしゃる通り、アキネトンについては眼球上転(ジストニアの症状の一つ、黒目が自然と上を向く症状)の治療によく用いられます。
カタプレス(クロニジン)についてはアカシジア(静座不能)の治療にも用いられる[1]反面、海外ではすでにADHDの治療薬として承認[2]されており、サイエルファーマ(シオノギの子会社)が治験の最中のようです[3]20093月時点で第三相試験中。

以上を総合しますと、今回のカタプレスの処方意図はセレネースの副作用である錐体外路症状の軽減、または原疾患であるADHDの治療のため、あるいはその両方と推測されます。



[1]厚生労働省.重篤副作用対応マニュアル アカシジア.5.治療方法,p23,H223
[2] Kapvay extended release tablets米国添付文書,FDAwebサイトより検索
[3]シオノギの研究開発.サイエル社のR&D.66,20093


0 件のコメント:

コメントを投稿