2018年1月26日

ユベラ錠の肝疾患への投与

【質問内容】
大学病院消化器科からの処方箋

ユベラ錠50mg 6錠 分3 毎食後 28日分

ユベラの処方意図は何か?

【回答内容】
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療に用います。

日本肝臓学会のガイドラインによると、ビタミンEの長期投与(文献によると2ヶ月以上)は食事療法を継続しているNASHALT値を改善する効果があるとされています[1]

NASHの発生機序には肝臓の脂肪化をベースにして、インスリン抵抗性、さらには鉄の過剰蓄積などに由来する酸化ストレスが深く関わっていると推測されています[2]

ビタミンE(ユベラ)には生体膜保護、抗酸化ストレス、脂質代謝改善などの作用を示し、肝星細胞の活性化を抑制して、肝線維化を防止する作用もあります。
これらの作用により、NASHに効果があると考えられます。



[1]日本肝臓学会.NASH/NAFLDの治療2010.
[2]中嶋俊彰.NASHの治療.今月のテーマ 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の現況,日消誌 2004,101,1204-1208


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