【質問内容】
門前医師からの質問。
アスピリン喘息の既往のある患者に解熱鎮痛剤を投与したい。
カロナールなども添付文書上、禁忌となっているが臨床上使えるものはないか?
【回答内容】
鎮痛薬として、比較的安全に使用できるものには塩基性非ステロイド系消炎鎮痛薬(ソランタール)、COX-2阻害薬(セレコックス)があります。アセトアミノフェンも通常使用量(PL顆粒に含まれる程度)なら使用可能です。[1]
ただし、アセトアミノフェンの場合、1日投与量が1000mgを超えると、喘息発作の危険性が出てきます[2]。
またソランタールの場合、解熱作用はありません。
もう少し詳細に記載すると、以下のようになります[3]。
1.非常に危険(吸収が早いため致死的反応になりやすい、絶対禁忌 ←強いCOX1阻害作用を有する坐薬や注射のNSAIDs)
(ア) インドメタシン*、ピロキシカム*、ジクロフェナック*などの坐薬
(イ) スルピリン注射*
2. 危険(絶対禁忌 ←強いCOX1阻害を有する)
(ア) 酸性NSAID全般*(内服薬、坐薬、注射薬)
(イ) コハク酸エステル型ステロイドの急速静注(ただしCOX1阻害作用は不明)
3. やや危険~危険(禁忌、安定例でも一定の確率で発作が生じる←弱いCOX1阻害)
(ア) 酸性NSAIDを含んだ塗布薬*、貼付薬*、点眼薬*
(イ) アセトアミノフェン*1回500mg以上
(ウ) パラベンや安息香酸、亜硫酸塩などの添加物を含んだ医薬品の急速投与(各種吸入薬、静注用リン酸エステル型ステロイド、局所麻酔薬など、ただしCOX阻害作用は不明)
4. ほぼ安全(多くのAIAで投与可能。やだし喘息症状が不安定なケースで発作が生じえる←わずかなCOX1阻害)、特にエ、オ、カは安全性が高い
(ア) PL顆粒®*(アセトアミノフェン*などを含有)
(イ) アセトアミノフェン*1回300mg以下
(ウ) エトドラク*、メロキシカム*(高用量でCOX1阻害あり)
(エ) サリチル酸を主成分としたMS冷シップ®
(オ) 特異的COX2阻害薬(セレコキシブ*、ただし重症不安定例で悪化の報告あり)
(カ) 塩基性消炎薬(塩酸チアラミド*など、ただし重症不安定例で悪化の報告あり)
5. 安全(喘息の悪化は認めない←COX1阻害なし)
(ア) モルフィネ、ペンタゾシン
(イ) 非エステル型ステロイド(内服ステロイド)
(ウ) 漢方薬(地竜、葛根湯)
(オ)その他、鎮痙薬、抗菌薬、局所麻酔薬など、添加物のない一般薬は全て使用可能
[1]薬剤師のための喘息予防・管理のガイドライン
[2]笹嶋勝."アスピリン喘息に使える鎮痛剤は?”.DIOnline笹嶋勝の薬の鉄則,2011/2/10
[3]谷口正実.”アスピリン喘息(NSAIDs過敏喘息)に関する最近の知見と臨床での留意点”.
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