2017年5月26日

SMART療法とは何か?

【質問内容】
医師からの在宅指示書の中に『SMART療法実施』との記載があった。
シムビコートが処方されている患者さんなのだが、SMART療法とは何か?

【回答内容】
Symbicort Maintenance and Reliever Therapyの略でSMARTとされています[1]が、現在ではsingle inhaler maintenance and reliever therapyの略ともされています。

即ちシムビコート一剤で維持療法・発作治療の両方を行うことを指します。
この用法は2012年に適応追加となっています。

以下実際の用法についてシムビコート添付文書からの引用です。
維持療法として11吸入あるいは2吸入を12回投与している患者は、発作発現時に本剤の頓用吸入を追加で行うことができる。本剤を維持療法に加えて頓用吸入する場合は、発作発現時に1吸入する。数分経過しても発作が持続する場合には、さらに追加で1吸入する。必要に応じてこれを繰り返すが、1回の発作発現につき、最大6吸入までとする。
維持療法と頓用吸入を合計した本剤の1日の最高量は、通常8吸入までとするが、一時的に1日合計12吸入(ブデソニドとして1920μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として54μg)まで増量可能である。

これは、シムビコートに含まれているβ作動薬であるホルモテロールが短時間作用型β作動薬(SABA)と同程度の即効性を有する特徴を利用した療法となっています。

ただ、20175月の現時点でホルモテロール含有ICS/LABA製剤であるフルティフォームにはSMART療法が認められていませんので注意が必要です。



[1]新実彰男.治療の進歩 1―吸入ステロイド薬―. 日呼吸誌 32),2014


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