【質問内容】
SSRIのように副作用に射精障害がある薬剤にはどんな薬があるのか?
またそのメカニズムは?
【回答内容】
PMDAの添付文書検索で調べたところ以下の薬剤に記載があります。
『泌尿器科領域』
アボルブ、ハルナール、ユリーフ
『心療内科・精神科領域』
イフェクサー、インヴェガ、エビリファイ、ガバペン、サインバルタ、ストラテラ、デジレル、デプロメール、トレドミン、リスパダール、ルーラン、レクサプロ、ロナセン、
『内科領域』
カルデナリン
『その他』
バイアグラ、プロペシア、レビトラ
ではそのメカニズムですが、
ハルナールやユリーフについてはα1A受容体遮断作用が主な作用となります。このα1A受容体が精嚢や精管にも豊富に分布していることから、その遮断により精嚢・精管内圧の低下、収縮の抑制が生じ、後部尿道に精液が出てこない「射出障害」が起こりえます[1]。
同様の薬効群のフリバスに記載がないのは、フリバスはα1A遮断作用が少ないためと考えられます。
イフェクサーやデプロメール、トレドミンなどSSRIやSNRIの場合、射精にはセロトニンが抑制的に関わっており、セロトニン濃度が上昇することによって、射精障害につながります[2]。
抗精神病薬等の場合、ドパミンD2受容体遮断作用があり、薬剤性の高プロラクチン血症を引き起こす可能性があります。これによって射精障害やEDが引き起こされる可能性があります[3]。
[1]ユリーフ錠IF.”重要な基本的注意”2016年,44頁.
[2]勃起障害のメカニズムと病態生理等.”2射精のメカニズム”,134p.
[3]竹島鉄平. 薬剤性高プロラクチン血症が原因と考えられた男性不妊症の 1 例. 泌尿紀要 59 : 65-67,2013年
0 件のコメント:
コメントを投稿