2017年3月21日

外用抗真菌薬の使い分け

門前Drから抗真菌薬の採用について相談を受けました。


アトラント一種類にするという話もあるのですが、一種類だけで大丈夫でしょうか?

抗真菌剤にもそれぞれにMIC(最小発育阻止濃度)が存在するため、一種類だけで大丈夫かというとその限りではありません[1]


ですので、アトラントだけで効果が不十分な場合や接触性皮膚炎など副作用対策のためにもセカンドチョイスがあった方が良いと考えられます。

抗真菌薬.png


アトラント(ネチコナゾール)の場合、カンジダにも白癬にもそれぞれ効果はありますが、他剤に比べてMICが極めて優れているとは言えません[2]


門前の先生がアトラントを好んでお使いであれば、それを主線としてカンジダに対してニゾラールやアスタットがあった方が、より診療がスムーズになると考えられます。


[1]常深祐一郎 第58回日本医真菌学会②教育講演1-4 水虫の診断・予防について 効率的な治療

[2]南條育子 各種外用抗真菌薬のin vitro抗真菌活性の測定 日皮会誌:117(2),149-152,(2007)




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