食事が取れない患者さんに対して、エンシュアリキッドを投与しようとしたところ、牛乳アレルギーの既往がある可能性が示唆された。
牛乳アレルギーの方にも投与できる経腸栄養剤はあるか?
まず、医薬品で存在する経腸栄養剤についてです。
経腸栄養剤には上記のような種類が存在します。上図の中でラコール、エンシュア、エネーボ、アミノレバン、には牛乳由来のカゼインが含まれているため、牛乳アレルギーの方には投与できません。
これは、エンシュアなどの半消化態栄養剤の場合、窒素源がたんぱく質となっており、それに対して消化態栄養剤の窒素源がアミノ酸やジペプチド、トリペプチドとなっているためアレルギーの原因となる牛乳蛋白を含まないからとなっています。
ですので、医薬品の経腸栄養剤で用いることができる選択肢としてはツインライン、エレンタール、ヘパンEDとなります。ただし、ヘパンEDは『肝性脳症を伴う慢性肝不全患者の栄養状態の改善[1]』の適応症となっているため低栄養状態の改善に用いることが出来ません。
ツインラインもエレンタールも、添付文書上も経口投与可能となっておりますので、ラコールやエンシュアの代替としてはツインライン、エレンタールが選択肢となると考えられます。(ただ、ツインラインは経口投与するには少し味がきついとのことです)
[1]ヘパンED添付文書
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