2017年1月31日

血管痛を起こす薬剤

患者から質問を受けたのですが、めまいに使う点滴を受ける前に看護師から痛みを生じるかもしれないとの話があったとのことです。どんな薬なのでしょうか?


添付文書メニューにて検索したところ、メイロン注(炭酸水素ナトリウム注)が該当しました。


さて、血管痛が起こりやすい薬剤には以下の特徴があります。


1)原因

薬の性質によるもの

①薬のpH(酸性・中性・アルカリ性)

血液のpH は弱いアルカリ性でおよそpH7.4 程度といわれています。薬の

pH が酸性側やアルカリ性側にかなり傾いたものである場合、血管に刺激を

与え、痛みや炎症を引き起こす原因となります。

②薬の浸透圧

浸透圧が異なる溶液に接触すると、血管内皮細胞の障害が引き起こされます。

③薬の刺激性

注射部位の血管内皮細胞に障害を与えると考えられます。[1]


Hで判断するとpH4.1以下の酸性薬剤やpHが8以上の薬剤は静脈炎を起こしやすい薬剤と言えます[2]

炭酸水素ナトリウム注の液性はアルカリ性を呈し、浸透圧も高張液となっているため、血管痛を起こしやすい薬剤と言えます。


また抗悪性腫瘍薬の点滴についても同様に血管痛を引き起こす可能性があります。

血管痛を起こしやすい他のお薬として、アレビアチンなども挙げられます。




[1]群馬大学医学部附属病院外来化学療法センター資料

[2]日本BDホームページ静脈炎について



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