2017年1月30日

クラリスロマイシンとイトラコナゾールの代謝阻害に対する影響

アムロジピンなどのジヒドロピリジン系Ca拮抗薬とCYP3A4阻害剤との併用は併用注意に指定されております。


そのなかで、CYP3A4を阻害すると言われているクラリスロマイシンとイトラコナゾールでは血中濃度上昇の影響度合いが違うのでしょうか?

血中濃度上昇の影響度合い、すなわちそれぞれの薬剤がCYP3A4をどれだけ阻害するかに関わってきます。




代表的なCYP3A4阻害薬のinvivoの阻害率
阻害薬阻害率分類
ケトコナゾール1.00VS
ボリコナゾール0.98VS
イトラコナゾール0.95VS
テリスロマイシン0.91VS
クラリスロマイシン0.88S
サキナビル0.88S
ネファゾドン0.85S
エリスロマイシン0.82S
ジルチアゼム0.80S
フルコナゾール0.79SS

Ohno Y at al:Clin.Pharmacologicalより引用


上図の表にあるようにイトラコナゾールは95%、クラリスロマイシンは88CYP3A4を阻害します。

ですので、数値的にはイトラコナゾールのほうがより阻害効果が高く、ジヒドロピリジン系のCa拮抗薬の血中濃度上昇の値は高くなると考えられます。


さて、どのくらい高くなるかという点ですが、この点に関しては代謝酵素自体個人差の大きいものですので、一口に言い切ることは出来ません(酵素によってプアメタボライザーなども存在するため)。





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