2018年8月4日

【尋常性ざ瘡に対するミノサイクリン投与について】

【質問内容】 
②患者数はとても少ないが尋常性ざ瘡でミノサイクリンのみ採用している。同系統でビブラマイシンがあるが、ニキビでの効果の差、歯への影響の差があるのか聞きたい。 
(→③これに関して調べてみても両方ともアクネ菌の抗菌スペクトルがありませんでした。医師はどんな意味でミノマイシンを使用しているのかも個人的にお聞きしたいです。) 

【回答内容】 
以下尋常性ざ瘡治療ガイドライン2016からの抜粋です。 
ドキシサイクリンの推奨度;Aに対しミノサイクリンの推奨度;A* 
(過去のガイドラインでは両剤とも推奨度Aだったが、ミノサイクリンに見直しが入った模様) 

2について;ミノサイクリンの痤瘡への有効性は確立しているが,一方で有効性が同等であるドキシサイクリンと比較して,めまいや色素沈着などの副作用の頻度が高く,自己免疫疾患,薬剤性過敏症症候群などの重篤な副作用があることから,注意喚起されている57)58).海外のガイドラインでも,ミノサイクリンとドキシサイクリンの効果が同等とするエビデンスがあるが,副作用を考慮してミノサイクリンをドキシサイクリンよりも劣ると判断しているものがある54). 

3について;痤瘡の炎症には,P. acnes が重要な役割を演じている.抗菌薬の選択にあたり一般の感染症では感受性が重要な要素であるが,痤瘡においては,感受性に加えて抗炎症効果を期待して,テトラサイクリン系やマク 
ロライド系の抗菌薬が処方されることが多い.痤瘡に対する内服抗菌薬のRCT はテトラサイクリン系,マクロライド系において多数報告され,対象は軽症から重症の炎症性皮疹を伴う痤瘡であり,15 歳~35 歳の患者を主体としたものがほとんどである.対照薬剤はプラセボや外用抗菌薬,既に有効性が示されているテトラサイクリン系抗菌薬など様々であり,皮疹数の減少率や全般改善度で判定している 

これはエビデンスよりも私の経験ですが、炎症性の痤瘡の場合ファロムが使われることが多くありました。維持期は、クラリスロマイシンやミノサイクリンを分1投与という症例が多くありました。 

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