2018年7月4日

【放射線肺炎とは】


【質問内容】
患者さんからの質問。

原因不明の発熱や喀痰が生じたため、大きい病院を受診したところ、放射線治療による放射線肺炎との診断だった。

どんな病気なのか?

【回答内容】
以下日本呼吸器学会ウェブサイトからの引用[1]です。

【疫学】
胸部にできたがん(肺がん、食道がん、乳がん、悪性リンパ腫など)に対して行われた放射線治療による肺の障害が原因で起こる肺炎です。細菌やウイルスの感染によるものではありません。傷害された肺組織では主に肺胞の外(間質)に炎症が引き起こされ、最終的には肺の線維化をきたします。
【発病のメカニズム】
 放射線によって肺組織、特に肺胞や肺血管の細胞が傷害されることによって発症するといわれています。傷害された細胞ではDNAが損傷を受け、これらの細胞から炎症を誘発する物質(サイトカイン)が放出されます。このようにして主に肺間質に炎症が起こり、その修復機転として肺の線維化をきたします。
【症状】
 息切れ、せき、発熱などの症状で発症しますが、無症状の場合もあります。発熱は通常軽微ですが、時に高熱を呈することもあります。症状は緩やかに進行することが多いのですが、重症例では急速に悪化することがあります。


[1] 日本呼吸器学会.放射線肺臓炎. http://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=21 ,確認日2018620

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