2018年2月21日

半夏瀉心湯の口内炎への使用

【質問内容】
〈口腔外科〉
ツムラ半夏瀉心湯エキス顆粒(2.5/包)  3包
1日3回 朝食前・昼食前・夕食前       14日分
含漱後は吐き出す

以上の処方の処方意図は?

【回答内容】
原因不明の難治性多発口内炎で長く治療されていた方への処方でした。
病院では、80℃のお湯で溶解しひと肌まで冷ましてから食前に嗽するようにと指導されてきました。

漢方薬は溶解しにくいため,含嗽薬を作るにはお湯で溶かす必要があります。
ホット用のペットボトルに漢方薬をいれ、80度位のお湯を加えて、ボトルごと転倒混和します。しばらくすると、十分に漢方薬が溶け切り、持ち運びも用意です。

これであれば,外出先にも持っていくことができ,疼痛がある時に適宜使用できます[1]


*口内炎部位では、炎症・発痛物質であるプロスタグランジンE2PGE2)量が増加していることがわかっています。
半夏瀉心湯投与(含漱)によりPGE2は減少し口内炎を有意に改善する研究結果があります。

研究によると、IL‐1β刺激によるPGE2産生は半夏瀉心湯濃度依存的に抑制されることが示唆されています。

この抑制作用には、半夏瀉心湯を構成している乾姜の成分である[6]shogaol、黄芩成分であるbaicalinwogoninが関わっていることが明らかになっています。

黄芩成分はIL‐1β刺激により発現するCOX2を阻害することにより、また、[6]shogaolPGE2合成関連酵素の活性を阻害することによりPGE2産生を抑制しており、それぞれ異なる作用点を介して総和的にPGE2産生を抑制し口内炎を改善していることが示唆されています[2]

更にこの処方については抗がん剤の副作用として起こる口内炎にも有効です。



[1]米永一理. (難治性)口内炎 × 半夏瀉心湯[漢方スッキリ方程式(5.医事新報社webサイト, https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=7676,参照2018/02/03
[2]日薬理誌(Folia Pharmacol.Jpn)146, 7680(2015)


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