【質問事項】
•内科処方
•患者96歳女性
•ディオバン錠80mg 1錠
•ラシックス錠20mg 0.5錠 他
•今回より タナトリル錠5mg 1錠 追加
•※BP安定、日内変動などもない。
今回からタナトリルが追加となった要因はどんなことが考えられるか?
【回答】
嚥下性肺炎の予防のために追加となったと考えられます。
アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤通常ですと、ACE-IとARBの併用は併用注意となっていますし、血圧のモニタリングも注意を払う必要があります。
ACE はサブスタンスP の分解酵素の一つであり,降圧剤のACE阻害薬を投与すればSP の分解も阻害される.そのため,咽頭および喉頭・気管粘膜のSP の濃度が高くなり,嚥下反射および咳反射が正常化し肺炎の発症を抑制する.
大類孝.”高齢者誤嚥性肺炎の現状と対策”,第52 回日本老年医学会学術集会記録
〈パネルディスカッション3:高齢者感染症の現状と対策〉
あえて、ACE-Iを追加したとなると、併用によるリスクよりも投与によるベネフィットのほうが大きいという判断であったと考えられます。
なお、脳卒中治療ガイドラインにも、適応外処方ではあるものの、嚥下障害による誤嚥性肺炎の予防にACE-Iを用いるとの記述があります。
0 件のコメント:
コメントを投稿