2018年1月17日

リクシアナにワーファリンのような用量調節がいらない理由

【質問内容】
リクシアナにはワーファリンのような細かい用量調節が必要ないが、これはなぜなのか?

【回答内容】
ワーファリンは元々、血液凝固能検査を行い投与量を個人個人に決定する必要がある薬剤です。これは、ワーファリンは、抗凝固作用が不安定で食べ物や他の薬剤の影響を受けやすく、ワーファリン自体も均一ではないため、同じ患者さんでも外来に来るたびに効果が異なります[1]

そのため、診察の都度血液凝固能検査を行い、用量調節が必要とされています。

それに対して、リクシアナは血液凝固能が治療指標となりません。抗凝固作用が安定しており、食べ物や他の薬剤の影響を受けにくいことが特徴の一つです。したがって、固定用量で投与することができ血液凝固能をモニタリングする必要が無いため、細かい用量調節が必要ありません。

用量設定試験においてリクシアナ60mgあるいは30mgの投与により、ワーファリンに非劣性な効果及び、大出血等の発現率もワーファリン投与群よりも低いという結果が得られています。

また、リクシアナを使用中のPT-INRAPTTについても、用いる試薬によって結果に大きく差が出ることから治療指標としいない側面もあると考えられます。



[1]バイエル薬品. Expert Keynote#14 NOAC服用時における凝固能モニタリング


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