2017年9月6日

川崎病患者のアスピリンの調剤について

【質問内容】
川崎病の患者でアスピリンをごく少量服用する場合、調剤時10.10.2g程度乳糖で賦形すると思うが、実際に調剤する場合アセチルサリチル酸の分解なども考えると乳糖とアスピリンをしっかり乳鉢で混ぜても良いか。

それとも分解とアスピリンの抗血小板効果の持続を考えて、軽くスパーテルで混ぜる程度でよいか。

【回答内容】
メーカーに確認した所、乳鉢での賦形で問題はないとの事です。

メーカーが所有する文献によると、調剤条件は少し異なりますが、乳棒で50回混和したものを異なる条件で保存するという実験が行われたことが有ります。保存条件を整えれば含量に有意差は生じません[1]

またアスピリンが分解したときに生じる酢酸は僅かな量でも、強い臭いを発するため実際にはあまり加水分解はされていません。

ただし、長期日数処方されている場合は、乳鉢ですりつぶすことにより表面積が増え、加水分解が促進されます。そのため、参考文献にあるように保管の際には乾燥剤やビニールパックを用いて保管する必要があると考えられます。



[1]黒見公一.院内製剤の品質確保に関する研究(第七報).静岡県環境衛生科学研究報告,49,23-26,2006.


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