2017年3月15日

心療内科領域での低用量ピルの使用

心療内科の処方箋で、低用量ピルが処方された。

低用量ピルを心療内科領域で用いることはあるか?また、どんな症状に用いるのか?

PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)の治療で用いることがあります。

まずPMSの概要についてです。
月経前症候群(PMS)は日本産科婦人科学会用語解説集1)では,「月経前3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で,月経発来とともに減退ないし消失するもの.」と示されている.その頻度は全女性の50~80%との報告があり,症状も200~300といわれているが,治療の希望をされるあるいは治療が必要となる症例は3~7%程度である.
具体的症状:抑うつ 怒りの爆発 いら立ち 不安 混乱 社会からの引きこもり 乳房圧痛 腹部膨満感 頭痛 四肢のむくみなど
PMS の症状は,エストロゲン,プロゲステロン双方の作用の結果と考えられており、経口避妊薬(低用量ピル)はこれらの変動を少なくするため、PMS 治療に有効な可能性があるとのことです[1]。低用量ピルは精神症状には無効とされるものの、身体症状からもたらされるイライラや抑うつには有効である可能性があります。

[1]鎌田泰彦.よくわかる月経前症候群の診断と治療,日産婦誌64巻9号,2012年9月,117-121


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