内科医の処方で、クラビット(LVFX)からグレースビット(STFX)、クラリス(CAM)からジスロマック(AZM)など同系統の抗菌剤・抗生物質へ切り替えられることがある。
同系統での切り替えで効果は十分出るのか?
STFXの発売元である第一三共並びにAZMの発売元であるファイザーに確認した所、どちらも非常に珍しい処方で通常は用いない変更とのことです。
と言うのは、まず第一三共の見解ではLVFXで効果が無い場合、他の抗生物質製剤に変更するのがガイドライン上に示されているとのこと。
またファイザーの見解によると、CAMなど他の14員環系マクロライドが効果不十分の場合15員環系であるAZMに対しても交差耐性を示すとのことでした。
ただ処方意図を前向きに解釈するのであれば、以下の点からの変更が考えられます。
日本化学療法学会雑誌の記載によるとSTFXの抗菌活性がLVFXより強いとなっています。この観点からクラビットでは効果不十分だがスペクトル的にはニューキノロンの適応菌種であり、すなわちLVFX⇒STFXへと変更になったものと推測できます。
CAMとAZMを比較してみます。
適応菌種には大きな違いはありませが、AZMは細菌と同時に非定型病原体もカバーすることが可能です。またAZMの抗菌力は従来のマクロライド系よりも強くなっており、そういった観点から切り替えられたとも推測できます。
しかしながら、患者様へ処方意図を明確に説明・指導するためにも処方医の先生へと疑義照会を行っておいたほうが良いでしょう。
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