【質問内容】
アスピリンの件で適応症的にも川崎病の場合にはハイリスク算定できるのでしょうか
【回答】
算定可能
【回答理由】
まず川崎病の病態から確認する。
川崎病は血管炎の1つであり,乳児および1~8歳の小児に発生しやすく,ときに冠動脈を侵す。遷延する発熱,発疹,結膜炎,粘膜炎症,リンパ節腫脹を特徴とする[1]。
その上で治療については、抗血小板薬の使用について以下の記述がある[2]。
川崎病では急性期に血小板数がやや減少し,回復期には増加する. 血小板凝集能は発症後3か月以上,時に数か月~1年にわたって亢進した状態が持続する.これにより冠動脈に障害を残さなかった症例でも,おおむね3か月を目安に少量の抗血小板薬を投与することが望ましい.冠動脈瘤を形成した症例では,虚血性心疾患の予防,血小板の活性化による血栓形成助長の予防目的で,抗血小板薬を継続して投与すべきである.これにより狭心症や心筋
梗塞の発症頻度を抑制できる.また,急性心筋梗塞症例で は,発症直後から陳旧化したものまで抗血小板薬の少量投与と抗凝固薬を継続するのがよい
以上のことより、アスピリンを抗血小板薬として用いているため、ハイリスク算定は可能である。
ただし、急性期と解熱以後では用法用量が異なるので注意を要する(急性期は30 ~50 mg/kg,分3,解熱以後は3 ~5 mg/kg,分1)
[1] MSDマニュアルプロフェッショナル版.川崎病.参照URLhttps://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/19-小児科/乳幼児および小児におけるその他の疾患/川崎病%EF%BC%88kd%EF%BC%89,参照日2019/09/03
[2] 川崎病心臓血管後遺症の診断と治療に関する
ガイドライン (2013年改訂版). IV. 心臓血管後遺症の治療, 1.3.1 抗血小板薬,18-19
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