【質問内容】
人工肛門を増設している患者に対して、坐剤は使用可能か?
注意点などはあるか?
【回答内容】
人工肛門の設置状態や肛門が温存されているかで、対応が異なる。
まず、肛門が閉鎖されずに温存されている場合、血流も確保されているため、直腸からの吸収は可能となる。
肛門が閉鎖されている場合(直腸切除術)、人工肛門からの投与を検討することになる。
その場合、検討しなければならない事項として、
①人工肛門内への坐剤投与は、人工肛門の粘膜を損傷する危険性があること[1]
②人工肛門に括約筋はなく、投与した坐剤が不意に排出されることがあること③人工肛門部位における薬剤の拡散低下、薬剤流出による吸収低下等が考えられる[2]。
以上により、可能であれば他の投与経路を検討したほうが良い。
仮に、人工肛門からの挿入を行うのであれば、人工肛門からの薬剤の漏出を防ぐため、挿入後5分程度挿入部を圧迫しておく必要がある[3]。
[1] 氏原孝司:坐薬による人工肛門穿孔の1例.日腹
部救急医会誌 17:184,1997
[2] 福岡県薬剤師会.質疑応答検索.確認日:2019/05/29
[3] ブーケ若い女性オストメイトの会.Q&A.参照:http://www.bouquet-v.com/stoma02.html,参照日2019/05/29
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